この記事の結論
- オルカンは米国株の比率が大きいため、S&P500と値動きが重なりやすい。
- 迷って積立を始められないくらいなら、世界全体に分散するオルカン1本でいい。
- 大事なのは銘柄選びより、下がった時にやめずに積立を続けることだ。
NISA口座を開設して、いざ積立設定をしようとした画面で手が止まる。「eMAXIS
Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)」、どっちにすればいいのか。自分も最初の積立設定のとき、この2択で検索を繰り返して数日寝かせました。
結論から言うと、この2つはどちらも王道で、中身もかなり重なっています。違いを理解したうえでどちらかに決めれば、あとは続けるだけです。
積立設定の画面を開いたまま読めるように、違いと選び方の考え方を整理します。
2つのファンドの中身の違い
オルカンは全世界の株式、S&P500は米国の大型株500社に投資するインデックスファンドです。
オルカン(eMAXIS Slim
全世界株式)は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスという指数に連動し、先進国から新興国まで幅広い国・地域と銘柄に分散します。これ1本で日本株も米国株も新興国株も含まれます。
S&P500(eMAXIS Slim
米国株式)は、米国を代表する主要企業で構成される指数に連動します。普段使っているサービスを提供する大企業も上位に並びます。投資先は米国1か国に集中します。
| 項目 | オルカン | S&P500 |
|---|---|---|
| 投資先 | 全世界の株式 | 米国の主要企業 |
| 信託報酬(年) | 購入時に最新の交付目論見書で確認 | 購入時に最新の交付目論見書で確認 |
| 純資産 | 大規模なインデックスファンド | 大規模なインデックスファンド |
| 為替の影響 | 受ける | 受ける |
※出典:三菱UFJアセットマネジメントの各ファンド公式ページ・最新の交付目論見書(確認日:2026年6月11日)。信託報酬や構成比率は変わるため、購入時に最新資料を確認してください。
どちらも低コストを特徴とするシリーズですが、信託報酬は変更されることがあります。購入画面だけでなく、最新の交付目論見書で現在の率を見比べてください。
なお、楽天証券には同じ全世界株式の指数に連動する「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド(楽天オルカン)」もあります。当ブログの楽天証券の手順記事ではこちらを紹介していますが、中身の考え方はeMAXIS
Slimのオルカンとほぼ同じです。コストは変更されることがあるため、購入時に交付目論見書を確認してください。
実は値動きの多くが重なる
オルカンは全世界に分散していますが、米国株の比率が大きい構成です。世界の株式市場に占める米国の割合が大きいためです。正確な構成比率は定期的に変わるので、最新の月報で確認してください。
つまりオルカンを買っても、投資先の多くはS&P500と重なります。この2つは「全く別の選択肢」ではなく、「米国に集中するか、米国を中心に世界へ広げるか」という濃淡の違いです。
だから、どちらを選んでも値動きはかなり似ます。米国株が好調な年はどちらも上がり、米国株が崩れる年はどちらも下がります。「どっちにするか」で人生が変わるような分岐ではない、というのが正直なところです。
選び方の考え方
それでも決め手が欲しい人向けに、考え方を整理します。
オルカンが向いている人
- どの国が伸びるか予想したくない、考えたくない人
- 米国が長期で停滞する可能性も織り込んでおきたい人
- 1本で完結させて、あとは何も判断したくない人
オルカンは国ごとの比率を指数が自動で調整してくれます。仮に10年後に米国以外の国が台頭しても、その変化に合わせて中身が入れ替わるので、自分で乗り換える判断が要りません。
S&P500が向いている人
- 今後も米国経済の成長が続くと考えている人
- 過去の実績(長期の米国株の成長)を重視する人
- 投資先がイメージできる企業のほうが続けやすい人
米国1か国に集中する分、米国が好調なら全世界より高いリターンになりやすく、不調なら影響をまともに受けます。その集中を許容できるかどうかです。
両方買うのはあり?
ありですが、分散効果は限定的です。前述のとおり中身が大きく重なっているので、半分ずつ買うとオルカンより米国比率を高めた状態になります。分散のつもりで2本持つくらいなら、自分の考えに合う1本に決めるほうが管理もシンプルです。
自分は「国の予想はしない」と割り切ってオルカン1本にしました。決めた後は積立設定を触っていません。
銘柄選びより「続けられるか」のほうが大事
身も蓋もない話ですが、オルカンとS&P500のどちらを選んだかより、暴落が来たときに積立をやめないことのほうが、長期の結果への影響は大きいです。
株式市場は数年に一度、2〜3割下がる局面があります。そのときに「やっぱりやめよう」と売ってしまうと、その後の回復に乗れません。逆に言うと、下がっても気にせず買い続けられる金額で積み立てることが、銘柄選びより先に決めるべきことです。
毎月の積立額は、手取りから固定費を引いて無理なく出せる範囲で設定してみてください。NISAの積立額はいつでも変更できるので、最初は少なめに始めて慣れてきたら増やす形でも問題ありません。
まとめ
- オルカンは全世界、S&P500は米国の主要企業。オルカンも米国株の比率が大きい
- 信託報酬は変更されるため、購入時に最新の交付目論見書で比較する
- 国の予想をしたくないならオルカン、米国の成長に集中したいならS&P500
- どちらを選ぶかより、下落局面でも積立を続けられる金額設定のほうが大事
まだ積立設定をしていない人は、この記事を閉じる前にどちらか1本を決めて、無理のない金額で積立設定まで進めてみてください。
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨・勧誘するものではありません。投資信託は元本保証ではなく、価格変動により損失が生じる可能性があります。信託報酬・構成比率などの数値は記事作成時点(2026年6月11日確認)のものであり、変更される場合があります。投資に関する最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
参考情報・出典
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS」公式サイト(各ファンドの交付目論見書・月報を参照)


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